SendGrid Nightで伝えたかったこと

最近業界内でのゲスとしてのプレゼンスを着実に高めつつある中井(@nakansuke)です。こんにちは。
昨年の10月に続き、第2回SendGrid Nightを開催したのでブログ書きます。開催から一週間以上経過してしまいましたが。。

SendGrid Nightの様子

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こんなに豪華な勉強会が他にあるでしょうか。今回来日したBrandonがビール狂なので、ちょっと豪華にしてみました。
SendGridがあるコロラド州はマイクロブルワリーがたくさんあります。有名なものも多いらしく、今調べてびっくりしたんですが、最近日本でもメジャーになってきているBlue Moonもデンバー発なんですね。

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中井の発表について

さて、SendGrid Nightの報告は公式ブログにも記事が上がると思いますので、こちらのブログでは私の発表を少し掘り下げて説明したいと思います。

ここ一年くらいの間、SendGridをはじめメールのこと、その周辺についての勉強を進め、また競合に当たるサービスの調査、ユーザの方へのヒアリングを行ってきて気づいたのが、

  • そもそもメールについて正しい認識をしている人が少ない
  • 海外のメールサービスと国内のものとでは、メールを届けるためのアプローチが全く異なる
  • サービス提供者が何でもやってくれるからユーザは何も気にする必要はないと思っている人は多い

ということでした。
ですので、まずは正しい知識をもってもらい、やるべきことを理解して頂く。その啓蒙活動をするのも私のミッションだなと思い、発表資料を作成しました。

メールは届いて当たり前ではない

私もSendGridに出会うまでメールに関しての知識は皆無に等しかったので偉そうには言えないんですが。。
正当なメールの20%は届いていない。という調査結果があります。スパムメールを受け取らない仕組みがISPDNSBLで構築されたことにより、まともなメールまで巻き沿いを食らいやすくなっています。
そこをちゃんとくぐり抜けて届くようにするためには、色々な施策が必要になってきます。
代表的なものとして

などが上げられますが、送信ドメイン認証についてはググっていただくとして、残りの2つに関連する話をこの後続けます。

レピュテーションについて

SendGridではSilverプラン以上になると、各ユーザに固定IPアドレスが割り振られます。が何の意味があるのか分からないというお問合せをよく受けます。

実は各IPアドレスには、レピュテーションという評価指標があり、そのレピュテーションの値で、ISPはそのIPアドレスからのメールを受け取るかどうかを判断します。
よく私が例えで使うんですが、クレジットカードの信用情報と似ています。ブラックリストに載ってるとカード作れないですし、カードを作成したばかりでは何の信用情報がないので、上限を引き上げることはできません。ある一定期間の間、使って、ちゃんと支払いをして信用されることによって、上限の引き上げが可能になりますよね。

同じようなことがメールでも言えます。ポッと出のIPアドレスには、そのIPアドレスを信用してよいかどうか評判(レピュテーション)が無いため、最初はISPからは大丈夫かどうか怪しまれます。しかし高いレピュテーションをキープしているIPアドレスからのメールであればISPはメールを受け取ってくれるようになるわけです。

レピュテーションをキープするために

上述の2項目にしっかりと対応する必要があります。まずバウンスメールの対処ですが、例えばメールアドレスに誤りがあって届かなかったとします。そのアドレスに何回も送り続けると、受けるISPから、こいつ悪いやつだと判断されてしまいます。また、一斉送信をしたときに、例えばそのリストの中にUnknownUserが大量に含まれていたとすると、こちらも怪しさ抜群ですよね。
フィードバックループというのは、要は受け手からのスパム報告を送信元にフィードバックするということで、スパム報告の数が多いとレピュテーションは下がります。またスパム報告をしたアドレスに送り続けるとこちらも当然レピュテーションを下げる要因になります。

要は行儀よく送りましょうねと。
この辺りの話はIPウォームアップのブログ記事が参考になります。

で、例えばバウンスメールに対処するための仕組みをSESだったり自前で構築するには非常に骨が折れるわけです。SendGridを使うとほとんど提供されている機能を利用するだけで実現できますよ。というのがいつもの宣伝文句です。

IPアドレスの共有と複数利用

この辺りの話は、例えば、よく聞く、届くまで色んなIPアドレスを使って送り続けます、とか複数のIPアドレスを使いまわして拒否られないようにします。とかいう話とは食い違ってきます。
一定レンジのIPアドレスを持っていてそれを使いまわすというよなこともあると思いますが、そうすると、ひとつのユーザが同じIPアドレスで、高いレピュテーションをキープする。といったこともできなくなってしまいます。

特に国内携帯キャリア宛のメールで問題になってくる話題だと思います。正直なところSendGridは対携帯キャリア向けのメール送信について十分な実績があるとは言い難いので、継続して調査をしていこうと思います。
ただ、常にメールをモニタリングし、そのISPに最適な送信アルゴリズムを作っていくことはSendGridも約束してくれているので、最初若干のお時間を頂くかもしれませんが、ちゃんと届くようにはなるのでご心配なく。

使う側もある程度勉強が必要

ということで、メール配信に関わる方は、このあたりについての理解を予め深めておくというのが重要でないかと最近強く思います。全てをサービスに任せっきりにするのではなく、できることはユーザ側でもすべきだと思うのです。SIに限らず、発注したら、受注側が何でもやってくれる。という雰囲気は非常に多いですよね。

「XXメール全然使えないんだよね、届かないし」って言ってる人は送信先リストの整理や、バウンスメールの対処をしていないことが結構あります。ちゃんとその辺をやってる人は、同じサービスでも問題なく使えている。ちゃんと届くし凄く便利と言っていたり。


うまくまとまりませんでしたが、ここのところ思っていることをつらつらと書いてみました。何か新しくわかったこととかあったらまたこちらに投稿します。では。

追伸

受けを狙って30ページ目のスライドでゲスっぽいネタを入れたんですが、盛大にスベリました。